30年のあいだ常に選んでいた素材、お勧めしている素材・仕上げ材について
あれこれと書いて行きたいと思います。
建築材料は素材を変えれば変えただけ工事中に無駄が出ます。
理由は、どれも決められた最小注文数で梱包されていますので、
どうしてもあまりが出てきてしまいそれらは廃棄することになります。
出来る限り少ない種類の素材で作っていくことがエコであり経済的です。
床材について
1・立っていても、歩いていても、座っていても、常に体が触れている床です。体温を奪わないものを。
2・静電気のおきないもの。
3・掃除が楽なもの。
4・メンテナンスの簡単なもの。
床は、出来る限り同じ床材で仕上げる。もし床材を変える場合もバリアフリーに仕上げるようにします。
良い床材の順位 | |
第1位 | ウール100%の絨毯 |
第2位 | コルクタイル&コルクフローリング&浴室用コルクタイル |
第3位 | 畳 |
第4位 | 無垢の杉、さわら材のフローリング |
第5位 | タイル |
猫は、気持ちがいい=人も気持ちがいい |
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14年前にシナリオライターが9匹の猫のために家を建てるというので設計監理をさせて頂きました。 9匹の猫たちと暮らすには、従来使っているコルクタイルをお勧めしてよいかどうかと悩みました。我が家にも猫が2匹いましたのでいろいろな素材で実験しました。結果は、猫が好きな床材は人間にも良いものでした。猫は静電気のおきる素材は大嫌いです。やはりウール100%の絨毯がベストで次がコルクタイルでした。ここでは全ての床をコルクタイルにしました。引っ越してきたときには猫は14匹になっていました。 |
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書斎の床のコルクタイル |
玄関ホール:床から階段も全てコルクタイル貼り。 |
1・ウール100%の絨毯(下地:フエルト10mm)
最も良いと思っている素材です。もちろんウール100%が必須です。
ウール100%でしたら静電気がおきませんので、汚れにくいのです。冬は暖かく、夏は涼しく、暖房するにはと思うような気候でもウール100%の絨毯でしたら足から体温を奪わないので、1年中快適にすごせます。
フローリングの床ですと綿ホコリなどが、隅に舞ったりしますが、絨毯はウールに絡まり落ち着いています。アレルギーの方や、はいはいする赤ちゃんにも良いと思います。フローリングの床より掃除機をかける回数は少なくて済みます。
難点は床暖房の効率がコルクタイルより悪いこと。水廻りには使うのには躊躇してしまうことです。
もし、紅茶などこぼしたときは、すぐに白いタオルを水で絞り、半分に折った片方を握り、こぼした床をめがけてバッシバッシと10回ほどたたきます。お客様のいらっしゃるときも、すぐにやることがコツ。すぐにやればしみになりません。
私がいつも使っているのは住之江のものですが、お値段は8.900円から13.800円/u位です。
自邸:絨毯 |
2・コルクタイル&コルクフローリング&浴室用コルクタイル
絨毯は水周りには使いにくいので、どこにでも使えるコルクタイルやコルクフローリングは次にすばらしい床材です。私の設計した住宅では一番多い使用率です。
厚みは3.2m、4mm、5mm、7mm、10mmとあります。色も薄い茶から黒まであります。濃くなるほど値が上がります。形状も四角形、長方形のコルクタイル、フローリングと揃っています。
浴室用はワンサイズでワンカラー。値は高いですが、温かくて滑らず浴室の床にとって最高の素材です。
コルクタイルは全て中までコルクで出来ているので、体温を奪いません。冬は暖かく、夏は涼しく、暖房するにはと思うような気候でも1年中快適にすごせます。
廊下からトイレまでコルクタイルにしておけば、暖房を切った夜中でもトイレに行くのにひんやり感が無いので気持ちよく暮らすことができます。床暖房の効率は、とても良いです。
メンテナンスも年に1度くらいコルク用のワックスで拭けばOKです。
欠点は、ナチュラルな素材ですので日に焼けると色がが飛んで白っぽくなってしまうことです。
私がいつも使っているのは千代田商会のロビンソンコルク。床暖房をするので5mmのものを使っています。
値段はコルクタイル:9.350円〜13.310円 コルクフローリング:10.780円〜13.430円/u 浴室床用コルクタイル:36.800円/u
風水の家:コルクタイルを床と階段にも使いました。段鼻コルクの濃い色で、段がはっきり見えるようにしました。 |
タマちゃんち:フローリングコルク |
介護のやさしい家:浴室用コルクタイルを床と腰に使いました。濃い色なので石鹸カスの白みが残らないか心配でしたが問題ありませんでした。 |
3・畳
今では畳の部屋がないお宅が多くなりました。郷愁のそそる素材になってしまいました。日本人は、ごろっと横になれる、ほっとくつろげるアットホームな雰囲気と、茶室のようにあらたっまた気持ちが交差する日本を象徴するような気持ちを畳みに持っているのではないかと思います。
畳みの感触は他の素材には無いものです。い草には、香り成分に、バニラに含まれるバニリンや、樹木と同じフェトンを初めリラックス効果をもたらす成分が含まれています。新しい畳に変えたときに強く感じるあの気持ちよさです。また、空気中の有害物質を吸着し減少させる作用があり、湿気の多い季節は水分を吸収し、室内が乾燥してくると蓄えた適度な水分を放出する働きもあります。断熱効果、吸音効果もあります。本床でしたら弾力性もあります。い草は日本の家にとってすばらしい素材です。もっともっと使いたい床材です
フローリングの床などには本や新聞を床にじかに置くのははばかれますが、畳みでしたら平気で置いてしまいます。そして、スリッパのまま畳の上に上がる日本人はいないように、畳みは足で踏む床ですが、他の床材とはちょっと違う雰囲気を持っています。仏間でしたら畳に座って朝晩お給仕したいと思います。フローリングに布団を敷いてお客様に泊まって頂くのははばかられますが、畳の部屋でしたら、ちゃんとしたおもてなしになります。どのようにも使える畳は床材としてはすばらしいと思います。
畳の部屋では、家具の無い簡素なぜいたくな空間を楽しみます。
洋風な雰囲気にも使える畳
置き畳みという正方形の厚みの薄い畳みもあります。ナチュラルな色だけでなく色も揃っていますので市松模様に置いてみたりと楽しめます。。
風水の家:仏間の畳床 |
タマちゃんち2:和室 |
浴室の洗い場に畳み
箱根の富士屋ホテルに泊まりたくて5年前に行ってきました。古い部屋は好きですが、掃除が行き届いてないふうでわびしい感じがしました。温泉も同じで、暗く狭く眺望も無くちょっとがっかりした気分でした。でも、洗い場が畳敷きなのには感動しました。足は沈んだ感じが本物のい草でした。メンテナンスはどうしているのだろうと気になりましたが、さすが富士屋ホテル。食事も最高でした。
石張りの場合は滑って危険な温泉もありますが、畳でしたらすべる心配はありません。
4・無垢の杉、さわら材のフローリング
どうしてもフローリングが良い方には、無垢の杉材、さわら材のフローリングをお勧めしています。やわらかいので、傷は出来ますが、チークの硬い木などと違い体温を奪いません。またやわらかい木のほうが膝関節にもやさいいです。ただ無垢材は乾燥している季節などは目地が開き少々そったりします。
ピシッと一年中同じようにあってほしいと思われる方には向いていません。そのような方には合板のフローリングをお勧めします。
ハギちゃんち:さわらの無垢材のフローリング |
タマやんち2:杉の無垢材のフローリング |
5・タイル
タイルは全て土ですから、気持ちよい素材です。拭き掃除が楽に出来るのと、床暖房が可能なタイルもありますので動物と一緒に暮らす生活には向いています。床には滑りにくいタイルを選ぶ必要があります。
ペットとすごす部屋の場合は、陶器質でなく磁器質のタイルで滑りにくいものを選び、目地の幅も細くして(3〜5mm)目地材も汚れにくいもの使います。サーモタイルは多孔質なので粗相することもあるので、ペットとの部屋にはお勧めできません。
浴室にはサーモタイルという冷たさを感じにくいタイルがあります。お勧めです。
ハギちゃんち:広縁はタイル |
ノンちゃんち:ホールはタイル |
ノンちゃんち:浴室の床と腰のタイルはサーモタイル。 |
2013.04.08記 久坂美津子
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